湖水地方、アンブルサイドにあるセント・メアリー教会(St. Mary’s Ambleside)

今年も、『英国歴史の館』をご覧いただき、ありがとうございました。

みなさんにとって、今年はどんな年だったでしょうか。

私は、夏に3年ぶりに、イギリスに行くことができました。行きたいところ多数、移動に次ぐ移動の3週間でしたが、予定していた全ての邸宅(プラスα)を訪問し、ヒースーロー空港に着いたときには、表現し難い満足感を味わいました。

邸宅を訪問する喜びは、特別です。

訪問した邸宅は、順次このサイトで、紹介していきます。どの邸宅も、それぞれの感動がありました。少しでも、感動を伝えられるよう頑張ります!

イギリス旅行以外では、大学院での研究に四苦八苦。新しいことばかりで、慣れるのは程遠く、研究の入り口にすら辿り着けていません。それでも大学院での学びと取り組みは、私にとっては大きなもので、貴重な時間です。

このサイトでは、来年も、引き続き月一回、第四金曜日に、邸宅に関する一話を公開します。ご覧いただければ、嬉しいです。

今回は、クリスマスに因んで、教会をご紹介します。

湖水地方、アンブルサイドの町にあるセント・メアリー教会です。大きな教会ですが、町の路地の奥にあり、着いたと思ったら教会の門が固く閉じられており、どうしようか…と向かいにあった小学校に、車を停め相談すると、「あと5分ほどで門は開くと思うわ」との答え。行ってみると、なるほど門は開いていました。しかしこの門が車がギリギリ通れるくらいの狭い門だったのですが、恐る恐る門を通り、無事に車を停めて中を見学することができました。

教会の中には、誰もおらず、静か。

ヴィクトリア時代に人気の観光地となったアンブルサイド。人口が増え、大きな教会が必要になり、1850年代に建設されました。イギリスでは比較的、新しい教会という印象です。
教会の装飾は、オックスフォード運動の影響を受けた、と説明書にありました。

そして、この教会ができる前に、アンブルサイドの国教会であったセント・アン教会を、研究の関係で訪問したかったので、グーグルマップを頼りに探しました。

セント・アンは、アンブルサイドの町外れの急斜面を登ったところにあり、とても小さな建物。しかし、なにやら教会ではない雰囲気が漂っている… どうしたものかと迷ったすえ、呼び鈴をおすと、老婦人がでてきてくださいました。

お話をうかがうと、「今、ここはホリデーコテージ(貸別荘)よ。」といわれて、驚きました。ヴィクトリア時代に国教会だったセント・アンは、今は貸別荘に生まれ変わっていたのでした。ちらりと中を覗くと、教会の名残は、あとかたもなく、モダンなキッチンが備え付けられていました。泊まってみたい…。

国教会だったセント・アン、大きな木は教会のときから建物を見守っている。
教会だった当時が、外観からは想像できる。しかし、ゴミのペールが生活感を醸し出す。
昔、教会であったこと、今は教会でないことの詳細が記されている。プレートの形に、ゴシック・リヴァイバルの影響が認められる。

来年が、皆様にとって、よき年となりますように。

どうぞよいお年を、お迎えください。

今年も、『英国歴史の館』をご覧いただき、ありがとうございました。

来年もよろしくお願いします!

工藤ダリア